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安定感抜群で高耐久なシート防水の魅力とメンテナンス方法をご紹介
このページでは主に広い面積に施工されることの多いシート防水の魅力についてご紹介したいと思います。防水というとFRP防水・ウレタン塗膜防水の認知度が高く、「新築といえばFRP防水」「リフォーム時にはウレタン塗膜防水」といった印象をお持ちの方も非常に多いと思います。しかし実はシート防水も、FRP防水やウレタン防水ではカバーしきれないポイントを抑えられる優秀な防水工事です。ALC住宅やビル・工場等の陸屋根等で施工されていることが多いのですが、今回はFRP防水やウレタン塗膜防水との違いと、シート防水のメンテナンス方法についてしっかり知っていただきたいと思います。
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シート防水は名前の通り防水性能のあるシートを貼る事で雨水の浸入を防ぐ工法です。シートの材質はゴムシートと塩ビシートがありますが、薄くトップコートによる表面保護が必要なゴムシートよりも、厚みがあり紫外線・熱・オゾンに対し優れた耐久性を持つ塩ビシートの方が主流になっております。ここではシート防水のメリット・デメリットと他の防水との違いをご紹介していきたいと思います。
- 高耐久
- 広範囲へ安定した品質での
施工が容易 - 工期が短い
- 複雑な形状には向いていない
- シート間の繋ぎ目から
雨漏りを起こす可能性がある - 機械的固定工法の場合、騒音が発生する
防水層には雨水を出来るだけ長く浸入させない耐久性が求められますが、シート防水はアスファルト防水に次いで高耐久といわれています。そのため、吸水が弱点のALC住宅やメンテナンスの頻度を減らしたいビル等の屋上等で施工されているのです。
ちなみにそれぞれの耐用年数はウレタン塗膜防水が10~14年、FRP防水が12~20年ですがどちらも定期的なトップコート保護が求められます。塩ビシート防水はシートに破れ・剥がれ・破損が起きない限り10~20年です。
1.5~2.5㎜厚でできた既成シートを敷設するシート防水は何より簡単で、伸縮性も高く動きのある下地にも追従できますので広範囲への施工も可能です。ウレタン塗膜防水工事も屋上(陸屋根)の施工には最適ですが、均一の厚みに仕上げる為には熟練した技術が必要になります。その点シート防水はポイントを抑えれば安定した仕上がりが実現できます。
広範囲への施工が可能な防水の中では工期が短いのもシート防水の特徴です。ウレタン塗膜防水の場合、乾燥や天候を考慮した上で3~10日程かかりますが、シート防水は1~4日ほどで施工が可能です。
※FRP防水も乾燥が早く工期が短いですが硬膜で割れやすい為、下地の動きに影響されやすい広範囲への施工は向いていません。
シート防水の効果を最大限発揮させる条件として平面であることが求められますので、加工が必要になる複雑な形状や凹凸が多い場所には向きません。ベランダやバルコニーは塗膜防水であるFRP・ウレタンが活躍しているのはそのためです。
シート防水で最も気を付けなければならないのがシート同士の繋ぎ目です。元々継ぎ目の存在しない塗膜防水とは異なりシート防水には必ず繋ぎ目が発生しますが、溶着不良によりシートの剥がれや雨漏りを起こしかねません。シート自体は安定した品質が保証されていますが、施工に問題があれば元も子もありません。比較的容易な施工だからといって、誰が施工しても問題ないという訳ではないという事を頭に入れておきましょう。
改修時に採用されることの多い機械的固定工法でのシート防水工事では、シートを固定するための金具を取り付ける際に騒音が発生します。どのような工事でも音や臭いが懸念されますが、防水工事自体それほど音が発生するイメージが無い為、驚かれる方も多いです。
シート防水の長所・短所を簡単にご紹介いたしましたが、恐らく皆さんが感じている印象よりも優秀な防水工事だとお分かりいただけたかと思います。続いてはメンテナンスが必要なシート防水に見られる劣化サインを見ていきましょう。
水溜まりの発生
屋上(陸屋根)には排水口に向かってわずかな傾斜(勾配)がついており、一定の場所に水溜まりが出来ることはありません。しかしシートの浮きや膨れによって勾配不良が起きていれば水溜まりが出来てしまいます。勾配不良による水溜まりはシート防水に限った事ではありません。
目視確認ではシートに異常がないにしろ、そのままでは水溜まりが出来た部分のみ劣化が進行してしまいますので、補修を検討する必要があります。
シート防水の膨れ
防水層と下地の間に水蒸気が発生したことで起こる現象ですが、下地が水分を含んでいるサインです。要因は施工時の環境・雨漏り・シート防水の劣化等が考えられますが、膨れがシートを引っ張っている状態が続いているので、放置すれば破れてしまい雨漏りを起こすリスクもあります。
シートの浮き・突っ張り・ねじれ・めくれ
シートの膨れが進行しながらも破れていない場合も安心はできません。その分下地との密着性も失われますので、シートに浮きや突っ張りが起きやすくなってしまいます。特に四隅・立上りとの取り合い部分は浮きやめくれが起きやすくなりますので注意が必要です。少しでも浮いていれば強風の影響も受けやすくなり、台風や突風でシートがめくれ上がってしまえば雨漏りを引き起こしてしまいます。
シート繋ぎ目の剥がれ、破れ・穴あき
シート防水で最も気を付けなければならないのがやはりシート間の繋ぎ目です。施工後から間もなければ接着不良の可能性がありますが、築年数を経過するとシート防水に含まれる可塑剤が気化し、硬化・収縮を起こすことで隙間が生じてしまう事もあります。
またゴムシートは薄い為鳥がついばむことで破れ・穴あきを起こしてしまうこともあります。シート防水自体が防水層を形成しているので剥がれ、破れや穴あきは雨漏りに直結してしまいますので、早急な補修が求められます。
シート防水の施工方法は2種類、密着工法と機械的固定工法ですが、まずは2種類の違いを見てみましょう。
密着工法
接着剤で下地に防水シートを貼る施工ですが、下地の状態に影響されやすい為新築時がほとんどです。下地としっかり密着している為、耐風性にも優れ歩行ももちろん可能です。
■作業工程
施工面の埃やごみを綺麗に除去すると同時に、施工後の膨れを防ぐために下地が十分に乾燥しているかを確認します。
下地の凹凸がある場合は樹脂モルタルで均一に整え、接着力を高めるためのプライマーで下塗りを行います。
下地面(接着剤の種類によってはシート裏面も)に対して接着剤を均一に塗布していきます。その後すぐにシートを貼るのではなく適正な乾燥時間を置きます。
いよいよ防水シートの敷設です。シートを敷設しローラーで下地間に空気やしわが残らないよう転圧していきます。
立ち上がりも同様にシート敷設・転圧を行いますが、上部は剥がれが起きやすい場所ですので押さえ金物で固定をします。
シート間の重なりは熱か溶剤を使って溶かして接着していきます。
更にその後継ぎ目にはシール材を打設して隙間をしっかりなくせばシート防水工事は完了です。
機械的固定工法
メーカーによって通気工法・絶縁工法・脱気工法等呼ばれ方は異なりますが、下地との完全接着を行わずに防水シートを施工する工法です。下地に対して直接接着させないことで、
☑ 下地の状態に影響されにくくなる
☑ シートと下地間に隙間を設けることで水蒸気を逃がすことが出来る(膨れ防止)
☑ 既存防水層を撤去する必要がない(工期短縮・コストカット)
が実現できます。
一方で歩行によって防水層を傷めてしまう恐れがありますので、施工箇所の活用方法によってはメンテナンス方法を検討する必要があります。
■作業工程
下地の影響は受けにくいものの凹凸があっては勾配不良を起こしかねませんので、樹脂モルタル等での不陸調整で平滑な下地を作ります。
※既存防水層が仕上がりに影響する場合は撤去します。
通気シートなどと呼ばれるシートを床面に並べるよう敷設していきます。剥がれないようジョイントテープで貼って固定していきます。このシートがあることで下地が含んでいる水蒸気を逃がすことが出来、シート防水の膨れを防ぐことが出来ます。
固定金具は絶縁シート・防水シート両方の固定を行います。床と立上りの取り合い部に塩ビ鋼板、床面には風荷重を考慮した上で等間隔に塩ビのディスクを取り付けていきます。
このタイミングで下地に溜まる水蒸気を逃がせるよう、脱気盤や脱気筒を設置していきます。これは雨水は浸入させず内部の水蒸気を逃がすことの出来る優れもので、機械的固定工法や絶縁工法を行う際には必須です。
ディスクはアンカーで固定するため木造住宅では施工できませんので、シート防水ではなくウレタン塗膜防水工事(通気緩衝工法)で施工されるケースが多いのです。
いよいよ防水シート敷設です。しわや歪みが出来ないようまっすぐシートを重ねながら敷設していきます。
この時点でまだ防水シートが固定されていませんが、専用のディスクヒーターで熱を加えシートとディスクを接着させることで固定が出来ます。シート間は密着工法同様熱や溶剤でシートを溶かして接着させます。
出隅や入隅は強度を補強するため、コーナー専用のパッチを更に貼り付けていきます。シートが収縮する際に出隅・入隅部分が引っ張られ破れてしまう可能性があるためです。
継ぎ目にシール材を打設して隙間をしっかりなくせば機械的固定工法によるシート防水工事は完了です。
少し紹介しましたが、シート防水に密着工法と機械的固定工法があるのに対し、ウレタン塗膜防水にも密着工法と絶縁工法(通気緩衝工法)という施工方法があります。呼び名は異なりますが、下地と防水層を密着させないことで得られる効果は同じです。機械的固定工法や絶縁工法(通気緩衝工法)は密着工法よりも作業工程が多く費用も高くなりますが、下地の影響を受けにくい為耐用年数ははるかに長くなります。
下地が経年劣化や雨漏りにより水分を含んでいる状態で密着工法を行っても、水蒸気が逃げられず防水層の膨れを起こしてしまいます。
☑ 既存防水層がある状態でなるべく安いメンテナンスを行いたい
☑ 雨漏りを起こしてしまっている
☑ 築年数が経過していて下地の劣化が考えられる
上記の場合は機械的固定工法や絶縁工法を検討しましょう。私たち街の外壁塗装やさんでは無料点検や雨漏り調査も承っております。無駄な補修工事を行わず大切なお住まいを維持できるよう、適切な防水メンテナンスを見極めていきましょう。
防水工事は高いという印象を持たれている方は非常に多いです。そのため少しの破れ・剥がれ等は部分補修で済ませたいとご相談をいただくこともございます。実際は状態・状況次第にはなりますが、いくつか部分補修が可能なケースをご紹介いたします。
軽微なシート防水の膨れ
シート防水下部の水蒸気によって膨れが起きてしまっている場合、水蒸気を逃がすことが出来ればその状態もある程度は改善させることが出来ます。それを可能とするのが脱気盤・脱気筒の取り付けです。
※一部分でも膨れがみられる場合は少なからず水蒸気が生じており、他にも膨れを発生させる可能性があります。また下地に密着している状態での効果は少ない為、脱気装置を取り付けて改善が見られないと判断した場合は全面改修をご提案させて頂きます。
シート防水の破れ・剥がれ
シートが部分的に破れてしまった・剥がれてしまったという場合は部分的なパッチ処理も可能です。但し破れ箇所が多い場合、シート全体に硬化が見られる場合はシート防水自体の寿命が迫ってきています。部分的な補修を行ってもまた別の場所が破れる、剥がれるということも考えられますので、部分的な補修はあくまで応急処置と考えておきましょう。
シート防水に限った事ではありませんが、屋上(陸屋根)からの雨漏りは住宅内部に悪影響を起こしかねません。普段はあまり意識していない部分かもしれませんが、屋上(陸屋根)は太陽光(紫外線)や雨水に晒され続けていますので、外壁同様定期的且つ最適なメンテナンスを繰り返し行っていく必要があります。「建ててから一度もメンテナンスをしていない」「シート防水のメンテナンス時期だと思う」「防水メンテナンスの費用を知りたい」という方はお気軽に私たち街の外壁塗装やさんへご相談ください。
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シート防水は安定した品質・比較的安価・短い工期で、屋上(陸屋根)など広範囲の施工に最適な防水工事です。
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複雑な形状に不向きな為ウレタン塗膜防水と比較し防水方法を検討しましょう。シート防水の要はシートの継ぎ目、丁寧で経験豊富な施工業者に施工を依頼しましょう。
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シート防水そのものが防水層ですので、破れや穴あきは雨漏りの原因になってしまいます。破れ等はないものの水溜まりがある、浮きがある等は補修のサインです!
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シート防水の改修時にオススメなのは下地の影響を受けにくく、シートの膨れもしっかり防ぐ機械的固定工法です!
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屋上(陸屋根)での雨漏りは室内への被害に直結してしまいます。メンテナンスの時期である、シート防水の状態に不安を感じるという方は私たち街の外壁塗装やさんにご相談ください。